【パナソニック株式会社】大企業イントレプレナーが新規事業創出にSimilarWebを使う理由。
「未来の『カデン』を形にする。」
今、家電の形は大きく変わってきています。
インターネットの普及と共に始まったデジタルシフトの影響は家電にも影響を及ぼし、IoT、スマートシティーといった新しい家電の形が生まれ始めています。
この激しい時代変遷の中、新しい「カデン」の未来を創造しているのが、パナソニック株式会社の新規事業チーム「Game Changer Catapult」です。
本稿では2019年8月に開催された「パナソニックの新規事業チームが語る SimilarWebを活用した”Game Changer Catapultの舞台裏”」セミナーの一部をご紹介。
Game Changer Catapultはどのようなチームなのか、そして、SimilarWebを活用した新規事業創出について解説していきます。

目次
デジタルマーケティング x 新規事業創出
目指すはヨコパナ
経営の神様と謳われた男、松下幸之助。
彼が1918年に創業した松下電気器具製作所は、創業から100年経った今なお、パナソニック株式会社として世界の最前線を走っています。2018年度売上高は、80,027億円。そして、世界を含めた総従業員は約27万人。
その企業体制は大きく分けて7つ。
- アプライアンス社
- ライフソリューションズ社
- コネクティッドソリューションズ社
- オートモーティブ社
- インダストリアルソリューションズ社
- 中国・北東アジア社
- US社
この巨大企業に2017年4月に新設されたのが横断的組織である”デジタルマーケティング推進室”。
「デジタル化により変化する社会・お客様を、データを通じて正しく理解し、One to Oneで最適を創出」をコンセプトに、パナソニック株式会社を横断的にサポートしています。
マーケティングのエキスパートx大企業イントレプレナー
この横断的組織立ち上げを牽引したのが、今回、SimilarWebを活用した新規事業創出について解説された岸原直人氏です。
早稲田大学卒業後、1994年にパナソニック株式会社に入社。
国内のみならず、海外にも渡ってマーケティングに従事し、広報から経営企画と幅広く活躍されました。そして、2015年にMBAを取得したマーケティングのエキスパートです。
2018年に行われたMarket Intelligence Summitでもご登壇された同氏。
前回ご登壇された際は、アナログデータとSimilarWebのオンラインデータを掛け合わせることで“未来予測”を行う市場解析手法について解説されました。
今回は、SimilarWebを活用した新規事業創出。
同氏は本業であるデジタルマーケティング事業とは別に、パナソニック株式会社アプライアンス社の新規事業チーム「Game Changer Catapult」においても、卓越したスキルを発揮されています。
- そもそもなぜ、本業とは別の事業も担っているのか?
- Game Changer Catapult は、どのような組織なのか?
- 市場・競合調査で有名なSimilarWebを、どのように新規事業に転用しているのか?
謎多き大企業イントレプレナーの裏側を、ご紹介していきます。
「未来の『カデン』をカタチにする」ために。
働き方改革の根源は「1日休養、1日教養」
“働き方改革”が謳われはじめ、もう数年が経ちました。多くの企業が制度の導入に四苦八苦している中、パナソニック株式会社では着実に改革を実行しています。
同社では、社内複業制度として所属部門に身を置きながら社内の新しい業務を経験し、自分の能力や可能性を試すことで自己成長を促進する仕組みを確立。
自身の業務において本業に80%、そして新しい業務に20%工数を投下でき、事業の安定と革新を同時に遂行しています。
“働き方改革”が推進されている背景には、引き継がれる創設者の背景があります。

「1日休養、1日教養」
今や当たり前となった週休2日制。実はこの制度、松下電器創設者である松下幸之助の号令の元、松下電器(現:パナソニック株式会社)が1965年に始めた仕組み。
当時異例だった週休2日制は世に浸透し、働き方そのものを変えました。そして、このDNAを引き継ぎ、今度は働き方と共に「家電」の再創造に挑んでいるチームがあります。
それが「Game Changer Catapult」。
Game Changer Catapult とは?
「未来の『カデン』をカタチにする」
2016年、社内イノベーション・アクセラレーター「Game Changer Catapult」が立ち上げられました。
より新しい生活文化や心躍る体験を実現できる未来の「カデン」を生み出すべく、多くのゲームチェンジャーたちが今までとは違うスピード感で挑戦を続けています。
Game Changer Catapultが目指したいことは、大きく3つ。
- 未来のカデンを作る
- 社内外の多くの人々と共創する場づくり
- 新しい製造業(サービス業化)のあり方の模索
従来の家電の形にはまらず、新しい「カデン」の世界観構築に日々トライしています。

実際の進め方は、社内から事業アイデア集め、審査を繰り返した後に展示会へ出展、そして事業化へとステップを進めます。
現在、累計で約150のテーマを応募し、実際に事業化まで果たしたプロダクトも複数誕生しています。
米国テキサス州に、世界から新規アイデアが集って披露している「SXSW」や、欧州発の世界最大級のスタートアップイベント「Slush」への出展も行い、未来の「カデン」創出に向けて、Game Changer Catapultは着々と事業を拡張しています。
では一体、どのようにして拡張し続けているのか?
事業創生の一つに、マーケット・インテリジェンス・プラットフォーム SimilarWebのインサイトが活用されています。

「共感」を生み、「共創」する。
SimilarWebとは
マーケット・インテリジェンス・プラットフォームのSimilarWeb。
第二のシリコンバレーと言われるイスラエルで誕生し、URLさえわかればありとあらゆるデジタル情報が取得できる最先端テクノロジーです。
Web担当者のみならず、マーケター 、営業、広報、経営戦略など、多岐に渡る職種において活用されています。
そして今回は、「新規事業創出」を目的とした、SimilarWeb活用法をご紹介します。
SimilarWebを新規事業創出に転用
新規事業創出は単に、突出したアイデアを創り出せば上手くいくとは限りません。
岸原氏が言うに、必要なのは「共感」と「共創」。
アイデアへの思いや背景に共感してもらうことで支援してもらうだけでなく、思いに共感した新しいメンバーや協業先と共に、事業を共創していきます。
この「共感」と「共創」を実施すべく、岸原氏は下記2つを目的にSimilarWebを活用しています。
- 大企業イントレプレナーとしての発信戦略
- 新規事業創出に向けた市場・顧客インサイト調査
画期的な事業を創出しても、届けるべき人に届かなければ拡張しません。そのため、SimilarWebを活用することでメディア解析を行い、どこに出稿すべきなのかを調査。
そして、市場および顧客に事業を適合させるべく、市場/顧客インサイト調査を実施しています。
大企業イントレプレナーとしての発信戦略
戦略構築に向けたステップは下記の通り。

メディアが数多あるなかで、どこに情報発信すべきなのか。5つのステップを通して適切な「共創」相手を選び抜きます。
1.Keyword分析
現在、自社サイトへ流入が想定される検索キーワードがどのメディアに流れているのかをSimilarWebで調査し、市場概況を把握。
2. 分析対象抽出
市場概況より、さらに詳細分析を行うべきメディアサイトをピックアップ。
3.クレンジング
ピックアップサイト群の中で、調査が必要なものとそうでないものに仕分け。
4.詳細分析
調査対象はSimilarWebで緻密な解析を行い、サイトパフォーマンスを調査。
5.総括アクション
調査結果より、発信すべきメディアに対して配信アクションを実施。
新規事業創出に向けた市場・顧客インサイト調査
市場・顧客インサイト調査においても、同様の5ステップを踏みます。

本セミナーではGame Changer Catapultの新規事業「totteMEAL」の市場・顧客調査を実施しました。
オフィスの「ランチ難民」問題を解決すべく創出されたこの事業。
インサイトを抽出すべく、「ランチ難民」を含むキーワードグループを作成し、どのサイトに顧客が流れているのかをSimilarWebで調査していきます。

すると、狙い通りGame Changer Catapultのサイトへのトラフィックが多いことが判明。
ただ、果たしてこれで顧客を漏れなく拾えているのか?顧客は他のキーワードでも検索しているのではないか?
示されたデータから再度仮説を立て、さらに深い解析に入ります。
- オフィスの「ランチ難民」という社会課題解決が、顧客の接点になるキーワードなのか?
- 「ランチ難民」をターゲットとしている競合先の戦略は?
これらの仮説の元、さらに「オフィス弁当」「オフィス仕出し」といった関連するビジネスモデルのサイトをリストアップし、グルーピング。
ここから、グループ内のサイトにどのようなキーワードで流入しているのか、SimilarWebで深掘りします。

すると、ユーザーの検索行動で多いのは「弁当」関連のキーワードでした。
つまり、「ランチ難民」の問題を抱えているユーザーは、必ずしも「ランチ難民」というキーワードでターゲットは検索しない可能性があると、この調査で発覚。
したがって、次に考えるべき仮説は「「弁当」という検索から、どれだけユーザー認知をあげられるかが鍵となる?」と、検証すべき新たな仮説構築ができます。
重要なポイントは「自社が知りたいことを知るだけでなく、データから自分たちが気づいていないことを知る」こと。
要はテクノロジーを活用して客観視することで、無知を知る、ということです。
SimilarWebで分析を行うと、こういった自身では気づけない、新たな気づきを得ることができます。
適切な人に、適切なメッセージを、適切なタイミングで。
今注目の大企業イントレプレナーの裏側は、テクノロジーを活用した科学的アプローチと製造業の新しい形に思いを馳せた、現代の新規事業創生モデルを取っていました。

自明ですが、今、ユーザーの多くはWeb上にて情報を集めています。
情報媒体、プラットフォーム、メディア、など、デジタルシフトと共に出稿先および情報過多が起こり、本来届けたい人にリーチしずらくなっている昨今。
岸原氏はこの現状をSimilarWebでカバーし、適切な人に、適切なメッセージを、適切なタイミングで届け、そして共感と共創を生んだ先にある、新しい「カデン」の創出に挑んでいました。
まとめ
Game Changer Catapultはその名のごとく、「家電」の姿そのもののゲーム・チェンジをすべく、働き方を変え、大企業イントレプレナーと化し、そしてテクノロジーを活用することで無知を知り、新しい「カデン」の創生に挑んでいました。
こちらでは、Game Changer Catapult の事業、インタビュー等、最新情報が更新されています。
ぜひ、未来の「カデン」を覗いてみてください。
Yo Harasawa
エンタープライズ企業へのWeb/SNSディレクション、SimilarWeb専属コンサルタント、インサイドマーケティングプランナーを経た後に、現在はSimilarWeb カスタマーサクセスに従事。


