【マーケットインテリジェンスサミット2018】完全レポート
SimilarWeb主催による、年に1度の祭典が虎ノ門ヒルズのメインホールで開かれたマーケット・インテリジェンス・サミット。
本イベントでは、下記の豪華な方々に登壇いたただきました。
基調講演登壇者
- デロイトトーマツコンサルティング合同会社 武藤 隆是氏
- 日産自動車株式会社 城 祐治郎氏
- 丸紅株式会社 石原 有紗氏
- パナソニック株式会社 岸原 直人氏
- 株式会社サイバーエージェント 木村 賢氏
- 株式会社Kaizen Platform 鬼石 真裕氏
「変革の時代を迎えている。」
日産自動車株式会社の城氏の一言。
変革が起こる時、組織には何が必要なのか?マーケットインテリジェンスはどのように活かされるのか?
年に一度の祭典を、本稿にまとめました。
目次
本国より、SimilarWeb社の経営陣が東京に集結。
本イベントにはSimilarWeb社のCRO、General Manager、そしてCEOのOr Offer氏が集結。
独自の観点から、SimilarWebの重要性を説きました。
自社のデジタルトランスフォーメーションを測る4つの質問
彼女の発表は、聴衆者への変わった4つの質問から始まった。
- 競合他社と比較して、自社のデジタルパフォーマンスがどのような状況にあるか知っていますか?
- 本日、SimilarWebを使いましたか?
- 御社でデジタルトランスフォーメーションに関わっている人はいますか?
- 御社でデジタルエリアでの投資が上手くいっているか把握できていますか?
この4つの質問。
聴衆者はまず全員立ち、答えが”NO”だったら座る。
つまり、最後まで立ち続けた人はデジタル領域への投資および改善が進んでいる企業。
ちなみに、最後まで立ち続けたのは集まった約400人中、数人だった。
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SimilarWeb Ltd.においてChief Revenue officer(最高売上責任者)を務めるCarrie lazorchak氏。
彼女は”DHL EXPRESS”の事例と共に、本イベントの心持ちをオープニングスピーチとして発した。
「DHL EXPRESSには465人のSimilarWebユーザーがおり、その中の120人以上が毎日SimilarWebを使っています。
成果は映えあるものです。30%の営業案件の増加、91ヶ国のライセンス利用。そして、そのROIは506%を達成しています。
今、マーケットインテリジェンス革命が世界で起こっています。
投資家、マーケターなど色んな方がSimilarWebを使い、自社のマーケットポジションの確認と、顧客とのエンゲージを日々確認しています。
本日は様々な事例と共に、このイベントを楽しんでほしい。」
東京オリンピックには出資すべきか否か
神は信用の世界。それ以外は全て、データが必要だ。
ー W.エドワーズ・デミング博士
アメリカの有名な統計学者W.エドワーズ・デミング博士の言葉を引用し、SimilarWeb Ltd.のGeneral Managerを務めるAvi Wiessenberg氏はデータの重要性を説いた。(以下敬称略)
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「日本と聞いて、パッと思いつくものがある。東京オリンピックだ。」
日に日に開催が近く東京オリンピック。
世界が注目するこの重要なイベントを、ただ待っているだけではダメだと彼は言う。
おもしろいデータがある。
「今年のW杯ロシア大会にて、気になるブランド名を目にした。”WANDA”というブランド名だ。世界に放映されているW杯だが、このビッグイベントに出資した”WANDA”は見事に世界からトラフィックを集めて見せた。
SimilarWebで見てみると、W杯の開催中世界からトラフィックを集めている事がわかる。つまり、スポンサーシップには意味がある。しかし、それを検証するには、証明するためのデータが必要です。」
データの使い方。
これは業界・業種問わず、多くの人が最適解を探し続けている。
彼の登壇内容はその”最適解”に近しい内容でした。
新しいお客様から学んだ事
「新しいお客様ができた。」
SimilarWeb Ltd.のCEO Or Offer氏。(以下敬称略)
この世に新しい”マーケット・インテリジェンス”業界を生み出そうとしている、世界注目の一人にできた新しいお客様は、非常に可愛らしかった。
それは、生後6ヶ月の息子。
親子共に満面の笑みを浮かべた写真と共に彼が語り始めたテーマは「お客様を知る」というシンプルながらも、深く、ビジネスのインサイトを突いた内容でした。
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可愛いお客様の次に話し始めたのは、SimilarWebについて彼が登壇したイベントで起きたある出来事。
「あるイベントに登壇した時の話です。私はとあるインドのサイトを元に、次のようなプレゼンをしました。
『インドのFlipcartというサイトがあります。このサイト、インド人にとってはスペルが綴りにくく、次のようなワードが目立った。flipk、flipcard、flipcar…など。これはSimilarWebで調べた結果わかった消費者行動です。
これに応じた対応策、つまり間違ったスペルでもページに遷移する仕組みを作れば、検索回数からはじき出した約100万人のユーザーを獲得できる。SimilarWebを持っていればね。』
偶然でした。
その登壇が終わって席に戻っている時、ある男性が電話機を見せながら私に言ったんです。
『このクレジットカードでSimilarWebを買いたい』と。そして、この出来事は後々巨額の投資へとつながりました。」
結果的にこの出来事からSimilarWeb Ltd.は資金調達に成功。
この時の資金調達はTechCrunchの記事に取り上げられた。
その額、$47M。
1$を100円で換算すると、その額は約47億円に至る。
「このように、SimilarWebはお客様の課題を解決できます。ただ、これはあくまで一例です。我々はマーケティング、投資、リサーチ&分析、営業と多岐に渡る観点から”お客様が知りたい”インサイトを提供できます。
そして、その先にいる顧客が求めている体験とは何でしょうか?私は、新しいお客様がお腹が空いた時、眠い時、用を足す時、楽しみたい時…それぞれに応じた体験を提供しています。
ビジネスもこれと同じです。“お客様を知る”事で、それに応じた体験を提供できます。
知るためには、マーケットインテリジェンスが、今後の時代において重要な要素となってきます。変化するビジネスニーズにお応えできるよう、努力してまいります。」
最後のスライドは、可愛いお客様との2ショットだった。
基調講演まとめ
組織全体でデジタルへ動く
「オープニングスピーチの4つの質問、座られる方が多くて安心しました。私も耐えられませんでした。」
正直に立っていられなかったと話す武藤氏の姿は凛々しく、新しい事へ前向きに捉える強さを感じた。
そして語り始めた内容は、いま、日本企業に求められる深刻な内容だった。

「デジタルへ移行しなければいけない事は、みんなわかっている。これを、できる人だけがやる、好きな人だけがやる。そうではない。組織全体としてやっていく事が重要です。」
フレームワークや様々なデータ、はたまた同僚のスマートフォンからとあるデータを引用しつつ、デジタルトランスフォーメーションの重要性を説いた。
SimilarWebやフレームワーク等を使う事が重要なのではなく、これらをどのように組織構築と連動していくのかが重要であると説く。
「顧客・生活者インサイトを基に、マーケティングとサービス開発の質を高めるCoE(センター・オブ・エクセレンス)機能を構築することで、デジタルトランスフォーメーションを実行できると思う。
そのためには、現場のみで行われている事象、また情報を集約し、部門を跨いでスキルと情報の横断を行う事が必要です。
来年は、4つの質問に答えられるようにしましょう。」
※2019年4月20日:こちらの内容は諸事情で非公開となっております。事例詳細に関しましてはお手数ですがこちらまでお問い合わせ下さいませ。
変革の時代に重要な事は何か
「自動車業界は今、変革の時代を迎えている。」
自動車は1769年、蒸気で走る自動車がフランスで発明され、この世に生まれました。
それから約250年。
自動車業界は今、変わらざるをえない難しい時代に入っている。

「EV(Electric Vehicle:電気自動車)や蓄電池としての利用、高度な自動運転、そしてAI。昔では考えられないサプライヤーともお付き合いしています。この時代の中、デジタル化だけでなく、仕事の仕方、ビジネスモデルも変革の時代に来ています。」
城氏が所属するコーポレート市場情報統括本部は、マーケットインテリジェンスを扱う市場調査のプロフェッショナル集団である。
「自部門にとって都合が良い結果が出る調査を実施したり、
単なる消費者調査を実施するにとどまらず、
変革の時代。
この難しい時代を乗り切るためにも、城氏は事業会社に向けて警鐘を鳴らす。
「調査会社は色々あるが、事業会社の中で調査機関持ち、変革に寄与する事が大事。『変革しないといけないが、どう変わればいいのかわからない。』という声を内部においてよく聞く。
変革の最中は目的があいまいになる事が度々起こるが、だからこそ、迷わず明確な目的を立てるためにインテリジェンス設計を行う事が今、求められている。」
※2019年4月20日:こちらの内容は諸事情で非公開となっております。事例詳細に関しましてはお手数ですがこちらまでお問い合わせ下さいませ。
ミッションを果たすために今やるべき事
「デジタルに、全然関係ないと思う方もいるのでは?」
同根である伊藤忠商事の歴史を含めると、160年もの歴史を持つ丸紅株式会社。
この歴史ある企業のデジタル・イノベーション部に所属する石原氏は、ある大きな”ミッション”を持っている。

「ミッションは、会社全体のデジタル化。SimilarWeb以外にも、AIを使った需給予測等を行なっています。」
歴史あるこの大企業でデジタルトランスフォーメーションを着々と実施している石原氏。
「デジタル・イノベーション部がCoE(Center of Excellence)となり、丸紅グループの事業を分析およびノウハウの蓄積を進めています。有機的に現場とデータを組み合わせて使い、PDCAの高速化、そして目的の明確化を図ります。」
未来に気づき、選択肢を増やす
「重要なのは、既に起きている未来に気づくこと。」
“経営の神様”と謳われた松下幸之助が創立し、今なお世界の先端を走り続けるPanasonic株式会社。
同企業にて、社会・お客様を正しく理解し、One to Oneで最適価値を創出すべく、会社全体のデジタル化推進を図っているのが、岸原氏の属するデジタルマーケティング推進室。

国内だけでなく、海外のマーケティングにも従事し、2015年にはMBAも取得したマーケティングのエキスパートである同氏。
SimilarWebの良いところは、データ取得の流動性であると言う。
「業界、競合、顧客分析において、有価証券報告書等のデータはもちろん有用であるが、これはスナップショット的な”静的なデータ”。SimilarWebは流動的にデータを取得できる事が強みです。」
未来に気づく。
一見、不可能に近いこの言葉だが、岸原氏は日本が海外から遅れている現状を逆手にとり、未来予測を行う。
「やはり、アメリカは先を行っている。新しいビジネスモデル、集客方法が異なる海外をSimilarWebを使って分析する事で情報を得れる。分析でわかった事と同じ事を日本で横展開する。これを行えば、国内では先だったビジネスができる。ないしは、知っているからこそ”やらない”という選択肢を持つ事ができる。」
戦略の基礎は”資源配分の最適化”です。
何を”やらない”かを決める事も、秀でた戦略家だからこそできる判断。
アルゴリズムが変わるその先に
「トレンドが変われば、アルゴリズムは変わる。」
非常に興味深い観点から、検索アルゴリズムの解析を行なっていた。

SimilarWebのデータを活用し、統計学的に検索アルゴリズムの概況を解析。
マクロ観点から Web概況を見ることで、いま現在のSEO概況を把握しているSEOのスペシャリストがサイバーエージェントの木村氏だ。
「キーワードの競合状況を知るのが”普通”です。それだけではなく、ピッチ状況やルールを把握する、要はその大元の理解が必要となってきます。アルゴリズムは変化します。現在のSEOは、検索エンジンが進化するその先を見続けるSEOが重要です。」
※2019年1月24日:こちらの内容は諸事情で非公開となっております。事例詳細に関しましてはお手数ですがこちらまでお問い合わせ下さいませ。
ファクトを駆使し、仮説を立てる
「如何に業界を理解できているか、お客様も知らない業界情報を持っているかどうか。」
エンジニア、プロダクト、デジタルマーケティング、戦略およびプラットフォーム、そしてB2Bマーケティング。
多くの経験から独自のWebビジネス支援を提供しているのが、Kaizen Platformの鬼石氏。

「有価証券報告書の会社ベースではない、Webサイト単位でリスト生成を行なっています。」
B2Bマーケティングおよびセールスをする際、SimilarWebを使ってお客様の業界および競合状況等を徹底的に解析し、自社のビジネスに応用している。
そのビジネススキームは卓抜であり、明日から応用できるものばかり。
なにが起因してこのようなスキームが構築できるのか?
その要因は、締めの一言に隠されていた。
「業界全体の構造を読み解いていく。これにより、お客様から信用を頂けます。全体を通して重要な事はシンプル。ファクトを駆使し、仮説を立てていく事です。」
【Kaizen Platform:鬼石 真裕】最先端B2Bマーケティング&セールスの全て。そして、人材派遣業界で起こっている変革とは。
日本をリードする企業の本音
各講演の発表後は、登壇者による企業の本音を打ち明けあうパネルセッションを実施。
当日はピクシーダストテクノロジーズの小川氏のファシリテーションによって進められました。

- SimilarWebを営業で使っているけど、その前はどうしてたのか?
- SimilarWeb以外にはどういったツールを使っているのか?
- 社内にアナリストがいるのか、それとも外注なのか?
- 部門横断でデジタルマーケティングを行う時のコツは?
- etc
小川氏の気さくな聞き方で和やかに始まったセッション。
しかしその質問内容は鋭く、時に登壇者が回答に詰まった様子も見られました。
台本がないからこそ出てくる、企業の本音。
最後には、SimilarWebへの率直な意見も赤裸々に語られました。
※2019年4月20日:こちらの内容は諸事情で非公開となっております。事例詳細に関しましてはお手数ですがこちらまでお問い合わせ下さいませ。
まとめ
昨年も好評頂いた、SimilarWeb主催のMarket Intelligence Summit。
前回は、ヤマハ株式会社、電通グループ、アデコ株式会社と、今年同様のビッグゲストによる基調講演が行われました。
去年に引き続き、今年も多く聞いた言葉。
それは、データを元に施策を実行できる組織を構築する、という事。
データはデータでしかありません。
多く、また多岐に渡るデータを取得できたとしても使いこなせない、ないしアクションに移せないならば、そこに意義を見出せません。
世界の名高い企業は着々とデジタルトランスフォーメーションを実行しています。
Carrieの4つの質問。
来年行われる本イベントでは、何人の方が最後まで立ち続けるでしょうか。
昨年の講演内容はこちら
- マーケットインテリジェンスの世界をリードする:Digital Vision Japan 2017 完全レポート
-
【電通・電通グループ:三浦 直也 / 高橋 勝也】グロースハックとSimilarWebを掛け合わせたデジタルマーケティング戦略
Yo Harasawa
エンタープライズ企業へのWeb/SNSディレクション、SimilarWeb専属コンサルタント、インサイドマーケティングプランナーを経た後に、現在はSimilarWeb カスタマーサクセスに従事。

